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2017年04月02日

丸棒の座屈解析〜ソリッド要素の使用

オープンソース動的FEM解析ソフトウェア「Impact」による解析。
今回は,丸棒を座屈させてみることにしました。

「Impact」は接触解析やシェル要素に特化したソフトウェアですが,ソリッド要素も使用できます。丸棒を6面体ソリッド要素の塊で作ってみました。
解析対象の丸棒はφ19mm,長さ171mm(9φ)です。

01.丸棒の座屈解析_解析モデル_01.png

この丸棒の先端に,速度境界条件を与えて,引張→圧縮→引張のサイクルで座屈解析を実施しました。解析モデル拡大。

02.丸棒の座屈解析_解析モデル_02_初期不整の導入.png

ソリッド要素で,単に圧縮するだけでは軸圧縮の変形モードしか出てこないため,初期不整として,部材長さの1/100の値を最大振幅とした正弦波形で初期節点座標を与えて,強制的に座屈させました。解析モデルをよく見ていただくと,若干最初から曲がっているのがわかるかもしれません。

解析結果です。うまく座屈してくれました。

03.丸棒の座屈解析_解析結果.gif

04.丸棒の座屈解析_解析結果_変形状況.png

ひずみ分布のコンター図。
座屈した部分の内側で圧縮状態。
座屈した部分の外側で引張状態。
座屈すると,座屈した部分の内側でかなり大きなひずみを生じています。

05.丸棒の座屈解析_解析結果_コンター図.png

最後に,材軸方向の応力とひずみの関係です。
圧縮後に再引張すると,応力がかなり大きくなります。
等方硬化則のようですが,マニュアルに詳しい説明がないので,よくわかりません。

06.丸棒の座屈解析_解析結果_応力ひずみ関係.png
posted by さといも at 07:05| Comment(0) | FEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月05日

シェル要素を用いた部分球殻の圧縮解析〜再トライ

「部分球殻」とか「扁平球殻」と呼ばれるものの圧縮解析へ再チャレンジ。
2016年1月22日の記事で,動的陽解法有限要素法解析ソフトウェア「Impact」のシェル要素を使って,球殻の座屈解析を実施したところ,アワーグラスモードのようなヘンな変形モードが出てきたやつです。
今回は「EERC/Fiber」に導入されているシェル要素を用いて,静的解析を実施しました。

以下の文献を参考にさせていただきました。

1)有田喜久雄:衝突時の殻構造の圧壊強度,船舶技術研究報告,第24巻,第4号 研究報告,pp.83-98,1987.07.

CiNii TOP>CiNii本文収録刊行物ディレクトリ>学協会名から探す>独立行政法人海上技術安全研究所 刊行物一覧>船舶技術研究報告(オープンアクセス)>24(4) (19870730)

まず形状寸法です。

01.シェルの座屈解析_部分球殻(扁平球殻)_試験体形状.png

解析モデルです。ちょっと斜め上から見た図。

02.部分球殻(扁平球殻)_解析モデル_01.png

横から見た図。鍋蓋かフリスビーのような形です。
このてっぺんに強制変位を与えました。
てっぺんに飛び出しているのは,反力検出用の0次要素(スカラー要素)です。

03.部分球殻(扁平球殻)_解析モデル_02.png

解析結果がこちら。
静的解析では解析が成功したようです。

04.部分球殻(扁平球殻)_SCP-1(t=1.6mm)_変形状況.gif

最終変形状況。

05.部分球殻(扁平球殻)_最終変形状況.png

載荷点での荷重-変位関係を実験値と比べてみました。
実験値と解析値は概ね良く一致しています。
t=3.2mmの厚い場合のみ,解析の荷重が小さく出る原因は今のところ不明です。

荷重変位関係_部分球殻(扁平球殻)_t=1.6mm.png

荷重変位関係_部分球殻(扁平球殻)_t=2.3mm.png

荷重変位関係_部分球殻(扁平球殻)_t=3.2mm.png

【今回お世話になった文献】
1)有田喜久雄:衝突時の殻構造の圧壊強度,船舶技術研究報告,第24巻,第4号 研究報告,pp.83-98,1987.07.
2)野中哲也,吉野廣一:パソコンで解くファイバーモデルによる弾塑性有限変位解析,2010,丸善.

posted by さといも at 23:34| Comment(0) | FEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月20日

円筒殻の交番載荷解析(象足座屈)

今回は,円筒殻の交番載荷解析です。前回の解析モデルを使い回しです。
参考文献は引き続き以下のとおりです。

1)後藤芳顯,張祟厚:比較的厚肉の円筒殻における提灯座屈からダイヤモンド座屈への塑性分岐過程の解析,土木学会論文集,No.605,T-45,pp.105-115,1998.10.

上記の文献は下記からダウンロード可能です。
土木学会ホームページトップ>書庫 学術論文等公開>公開対象リスト>土木学会論文集>平成10年(1998) 605号

前回は,円筒を軸圧縮したときの変形モードを見ましたが,今度は水平方向に揺さ振ったときの荷重と変位の関係を見ることにしました。文献1)の解析ケースの中で「C8 type」に相当するケースを取り上げています。

解析モデル。斜め上から見た図。
鋼管円筒部分は4節点のアイソパラメトリックシェル要素です。
円筒下端の節点の変位を拘束。
円筒上端の節点と中央に配置した節点を剛梁で結びました。

01.シェル要素による円筒の曲げ座屈解析_解析モデル_01.png

解析モデルを横から見た図。
上部の梁は,反力検出用の0次要素(スカラー)です。

02.シェル要素による円筒の曲げ座屈解析_解析モデル_02.png

変形状況のアニメーションです。
圧縮側下端部が局部的に座屈し,だんだん扁平になりました。

03.シェル要素による円筒の曲げ座屈解析_変形状況_俯瞰.gif

正側最大変形時の座屈モード。
足元が局部座屈した後,ダイヤモンド座屈に移行しかけているようです。

04.シェル要素による円筒の曲げ座屈解析_正側最大変形状況.png

変位をゼロに戻したときの残留変形の様子です。
揺さ振った方向と直交する側面が凹むのがちょっとおもしろいかなと思いました。

05.シェル要素による円筒の曲げ座屈解析_残留変形.png

いろんな文献によると,中間的な厚みの円筒で現れる典型的な座屈モードだそうで,「象足座屈」という形状だそうです。
たとえば,以下の文献では,「象脚バルジ」と呼ばれています。

2)小久保邦雄,長島英明,高柳政明,望月明:円筒かくのせん断座屈の解析(第3報,座屈後の挙動),日本機械学会論文集(A編),61巻,583号,論文No.94-0759,pp.632-637,1995.3.

載荷点の水平変位と水平荷重の関係を示します。

06.シェル要素による円筒の曲げ座屈解析_荷重変位関係_01.png

単調載荷解析(一方向押切り解析)を実施したところ,δy=1mmくらいで荷重ピークを迎えたので,この変位を基準変位として,正負交番載荷しました。

単調載荷時の荷重変位関係が包絡線になるのかな?
と思っていましたが,反対側(負側)に載荷したときに座屈した影響が大きいせいか,それ以上に耐力低下しました。

最期にご参考まで。シェル要素ではなく,ファイバー要素で無理やり解こうとしたときの荷重変位関係です。なんとなくそれらしい結果は返ってくるのですが,ずんどうな円筒なので,「梁」とみなすのはちょっと無理があったようです。

07.シェル要素による円筒の曲げ座屈解析_荷重変位関係_02.png

【今回お世話になった文献】
1)後藤芳顯,張祟厚:比較的厚肉の円筒殻における提灯座屈からダイヤモンド座屈への塑性分岐過程の解析,土木学会論文集,No.605,T-45,pp.105-115,1998.10.
2)小久保邦雄,長島英明,高柳政明,望月明:円筒かくのせん断座屈の解析(第3報,座屈後の挙動),日本機械学会論文集(A編),61巻,583号,論文No.94-0759,pp.632-637,1995.3.
posted by さといも at 23:07| Comment(0) | FEM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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